【不動産】擁壁(ようへき)①

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みくま経理担当
みくま経理担当

早くココから引っ越したいんだが

みくま
みくま

ホントにそう…

こんにちは、みくまでっす!

みくまの現在は賃貸のアパート暮らしなのですが、そろそろ引越したい…
長崎市での新築一軒家は、そもそも土地が高すぎて…
中古の一軒家に引越しになるのか(*´Д`)
中古もインフレで高いですが(´;ω;`)

そこで今回は新築や引っ越しに伴う「土地・家」に関し、擁壁(ようへき)について語らせて頂きまっす!
崖が多い長崎では擁壁は重要です(-_-)

みくま社員1号
みくま社員1号

・・・よう癖?




擁壁(ようへき)とは

まずは、擁壁(ようへき)について。
擁壁とは、崖や建物などが崩壊しないために造られる壁のことです。
具体的に見るのは、道路よりも高い場所に建てられている家の下などにコンクリートや石などを用いた壁状の構造物ですね。
ある程度の高さがある崖がある場合、建築には擁壁が必要となります。

坂の街と呼ばれる長崎。
ひな壇での建築が多く、擁壁の街でもあります。



擁壁の種類

擁壁には色々な種類があります。
その一部を見ていきましょう(=゚ω゚)ノ



🔶鉄筋コンクリート造擁壁(RC擁壁)🔶
鉄筋コンクリート造擁壁(RC擁壁)は、鉄筋とコンクリートを組み合わせた擁壁のことです。
よく見る垂直のコンクリートの壁のやつです。
鉄筋の有無によってSRC造とRC造に分けられるとか。
垂直に近い擁壁を組むことに特化しているので、住宅の横に擁壁を組む場合に使用されます。

🔶重力式擁壁🔶
コンクリートの重さで支える擁壁です。
形は台形に近く、土を止める側を斜めに作る場合が多いです。
鉄筋を用いずコンクリートのみで作っています。
メリットとしてコストが安く施工がしやすいことが挙げられますが、デメリットも有り斜めの部分が宅地内に入るため建築範囲に制限が出てきます。
重力式擁壁とRC擁壁の区別を表面からすることは難しいです。

🔶練積ブロック擁壁🔶
専用ブロックをコンクリートで固定したものです。
コンクリートを練って作ることから練積みと呼ばれているそう。
メリットとしてはコストが安く、狭い場所でも施工可能。
デメリットは、斜めに設置するため有効土地が減り、建築範囲の制限がかかります。
自然石を加工したもの、六角形のものなどあり。


🔶空石積み擁壁🔶
コンクリートを使わない擁壁のことです。
自然石やブロックなどを積み上げて作る擁壁で、例えばお城の石垣等です。
強度はあまりなく、現在では新しく作ることは難しくなっています。



「崖」について

次に擁壁を作るハメになる、の定義です。
30度を超える傾斜地。 または高さ3mを超える高低差のある土地
とのこと(=゚ω゚)

ちなみに、傾斜地は崖にならない程度の斜面地だと考えていいと思います。
崖の定義は都道府県の建築安全条例で定められています。
この崖に関して、近くに建物を建築しようとすると後述の条例で制限がかかります。


「擁壁」と「がけ条例」

がけ条例とは!
敷地が崖に面しており、一定の高さを超える崖の上または下に建物を建築する場合、条例によって制限を設けられたもの、になります(*’ω’*)

がけ条例の規制内容は、建築基準法を基に都道府県によって異なります。
その一部について東京都と福岡県の例をあげます。

高さ2mを超えるがけの下端から、がけの高さの2倍以内に建物を建築する場合には、高さ2mを超える擁壁を設けなければならない。

「東京都建築安全条例第6錠」より引用

がけ(省略。)が三メートルを超える場合においては、当該がけの上にあつては当該がけの下端から、下にあつては当該がけの上端から水平距離が当該がけの高さの二倍に相当する距離以内の位置及び当該がけには、居室を有する建築物を建築してはならない。ただし、次の各号の一に該当する場合においては、この限りでない。

「福岡県建築基準法施行条例第5条」より引用

東京都の例に崖の高さが2mの場合は、
① 崖の下に住宅を建築する場合は、 崖の下端から4m以上離す。



若しくは、
② 崖から2m以内に建築する場合は、崖の高さを越える擁壁を造成する。

次に長崎県のがけ条例を示します。




長崎県の「がけ条例」

(崖に近接する建築物)
第3条 建築物を高さ2メートルを超える崖(省略。)以外のものをいう。以下同じ。)に近接して建築しようとする場合は、崖の上にあっては崖の下端から、崖の下にあっては崖の上端から当該建築物との間に当該崖の高さの1.5倍の水平距離を保たなければならない。

「長崎県建築基準条例第3条」より引用

長崎県は水平距離が1.5倍になってますね(-_-)
崖ばっかりで土地がないためなのでしょうか(-_-)



土地が「がけ条例」に該当する場合


土地家の売買でがけ条例に該当する場合、上記のことが必要になります。
ただし、擁壁は安いものではなく…(´;ω;`)
何百万円も費用がかかることがあり、買い手の場合は予算額より大幅な増額となる場合があります。
売り手にとっても買い手が多額の費用がかかる土地ということになるので、通常の価格では売れにくいので結果的に土地の価値が大きく下がってしまうことに。
不動産が崖に近接している場合には、しっかりとした調査が必要ですね!

また、すでに既存の高さ2mを超える擁壁がある場合には、確認済証・検査済証のある擁壁かどうか調査が必要になります。
ちなみに崖の高さ5mを超える場合は、がけ条例による規制ではなく土砂災害防止法急傾斜地崩壊危険防止法等の法律によって規制されることになります。


現行の建築基準法を満たしているか

現行の建築基準法を満たしているか否かについて、擁壁のある住宅を購入する上で注意が必要となってきます。
個人が昔に組んだ土地の場合、現行の建築基準法に適合していない可能性あり、その場合は解体し再造成する必要があります。
このような事態を防ぐためにも、開発許可の有無を確認することが必要となります。


擁壁の費用

擁壁は安いものではなく…
高さや面積にもよりますが、工事費用が数百万円から数千万円になることも!
高いですよね(-_-)
また金額が金額なため、不動産売買契約締結直後や引渡し直後に擁壁の造り直しが必要であることが発覚した場合は、売主と買主の間でトラブルの引き金となり、不動産仲介業者にも責任が生じる可能性があります。

それと、頑丈に造られた擁壁でも永久に機能を維持できるわけではなく、経年劣化がおこります。古い擁壁がある物件の購入を検討する時には、擁壁の状態を確認することが必要です。
新しい擁壁でも亀裂やひび割れが生じている場合があります。
みくまが以前に不動屋さんに案内された土地に擁壁があったのですが、中がスカスカで崩れそうでした(._.)

ただし、一部については補助金もでるようです。長崎市での例を次に示します。



がけ条例関連の補助金

がけ条例関連の補助金として、助成金制度を行っている自治体もあります。
長崎市の助成金制度については、下記をご参照ください。

長崎市宅地のがけ災害対策費補助金制度



擁壁と隣人トラブル

高低差のある土地に住む、上方の住宅Aと下方の住宅B。
それを隔てる擁壁が崩れ住宅Bに損害が発生した時は、基本的に上方の住宅Aが責任を負います。
基本的にと書きましたが、擁壁がどちらの所有なのか、土地の境界線はどちらなのか、条例に違反していないかなど色々な条件がありますので難しい…

ただし擁壁が崩れ人的被害が出た場合は目を覆う事態になるため、事前に調べておくことが重要です( `ー´)ノ


擁壁の「まとめ」!

擁壁の適合があるか確認!
・現行の建築基準法を満たしているかを確認!
・擁壁の所有と境界線を確認!

です(=゚ω゚)
住宅の購入は一生のうち最も高い買い物の一つです。
住宅に付随する擁壁で余計なトラブルに遭わないためにも、入念な調査が必要ですね!




【記事】2024年7月

リンク

長崎県:宅地造成に関する基準など
長崎県弁護士会:公式HP
長崎県土地家屋調査士会:公式HP

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